星読み(占星術)に興味のある方はおそらくどこかしらで一度は目にしている「風の時代」や「水瓶座GC(グレートコンジャンクション)」。星読みに馴染みのない方でも、目にしたことがあるかもしれません。
2020年の年末、12月22日に風の時代が始まるのですが、「そもそも風の時代って何?」ということについて、つらつらと書きました。
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星座の四区分
占星術の世界には、12の星座が登場します。占星術ではこの12の星座のことを「サイン」と呼んで、夜空に浮かぶ実際の星座と区別することがあります。以下、この記事でも星座ではなく、サインと書くことにします。
さて、12サインは大体、三通りのグループ分けが行われます。
- 二区分:男性星座・女性星座
- 三区分:活動宮・固定宮・柔軟宮
- 四区分:火・地・風・水
「風の時代」の「風」というのは、この四区分の「風」です。
この四区分の考え方は、古代ギリシャの哲学における「四大元素」の考え方がもとになっています。すごくざっくり言うと「この世界のあらゆる物質は”火”・”地”(土)・”水”・”風”(空気)の四つの元素が組み合わさってできている」という考え方です。
占星術では、この四つの元素が、12サインにひとつずつ割り当てられています。
牡羊座 | 火 | 天秤座 | 風 | |
牡牛座 | 地 | 蠍座 | 水 | |
双子座 | 風 | 射手座 | 火 | |
蟹座 | 水 | 山羊座 | 地 | |
獅子座 | 火 | 水瓶座 | 風 | |
乙女座 | 地 | 魚座 | 水 |
これは、牡羊座を一番目として、順番に「火」「地」「風」「水」を3サイクル繰り返したものです。
「風の時代」といのは「主に風のサインでグレートコンジャンクション(GC)が起こる時代」で、200年ほど続きます。
グレートコンジャンクション
「では、グレートコンジャンクションとは何か?」ということになりますが、占星術の世界では星と星とがある一定の角度を成しているときに、その角度を「アスペクト」と呼んで特別視します。
コンジャンクションというのはそのうちのひとつで、星と星とがホロスコープ上で重なる、つまり角度差が0度である、という状態をさします。
これはどういう状態かというと、地球から見たときにその星と星とが同じ方向にある、という状態です。
コンジャンクションはいくつかあるアスペクトの中でも特に影響力を持つと考えられています。そして「グレートコンジャンクション(GC)」というのは「木星と土星のコンジャンクション」のことをさしています。
木星も土星も、ともに占星術の世界では大きな影響力を持つと考えられています。古くから木星は吉星、土星は凶星として扱われることが多いです。
ちなみに天文学的に見ると、太陽系の惑星のうち、最も大きなものが木星、次に大きなものが土星です。
この木星と土星がコンジャンクションとなるときに、地球上でも時代に大きな流れの変化が現れる、と考えられているわけです。
おそらく、天王星・海王星・冥王星が発見されるまでの長い間は、占星術の世界でも土星までしか扱っていなかったわけなので、その土星までの7つの天体のうち、特に遠いふたつの星(つまり、木星と土星)のコンジャンクションが特別視されたのだと思います(他のもっと地球に近い星同士では、頻繁にコンジャンクションが起こるため、いちいち取り沙汰しなかった、という言い方もできるかと思います)。
もちろん日々の星読みでは他の天体同士のコンジャンクションも多いに特別視するのですが、大きな時代の流れを見るときには、この木星と土星によるコンジャンクションを特に取り上げた、と考えられます。
水瓶座GC(グレートコンジャンクション)とは?
さて、その木星と土星は今、山羊座にいます。2020年12月17日には土星が、その二日後の12月19日には木星が、山羊座の次の水瓶座へと移動します。そしてさらに三日後の12月22日に、水瓶座にてコンジャンクションとなります。これが「水瓶座GC(グレートコンジャンクション)」です。
そして、水瓶座は四区分でいうと風のサインです。このグレートコンジャンクション以降、およそ200年にわたって、主に風のサインでグレートコンジャンクションが繰り返されます。
これが「風の時代」の始まりです。
ちなみに、これまでは主に地のサインでグレートコンジャンクションが繰り返されていた「地の時代」でした。
この200年にわたる「地の時代」から、また200年にわたる「風の時代」へと移り変わるのが今年の末なので、星読みの世界ではとても話題になっているのです。
どんな時代であれマイペースにいきましょう
「風の時代」では今以上に「個人」にスポットライトが当たると考えられています。
たとえば、どういう会社に属している、とか、どういう組織に属している、ということよりも、”個人”を見られるようになるわけです。
これまでの「地の時代」なら、「あの人は○○という組織に属しているから、××な人だろう」といった評価がまかり通っていたわけですが、それがある意味”通用しなくなっていく”ということです。
実際に「よい大学を出て、よい企業に就職して、一生安泰」なんていうのは、既に”夢物語”になっていっています。
「大学を卒業しているかどうか」「どの大学に通っていたのか」「企業に属しているかどうか」「どんな企業に属しているのか」といった評価基準は、今後もどんどん廃れていくでしょう。
それよりも、もっと「その人は、どんな人か」という視点を多くの人が持つでしょうし、現状もそのようになっていっているのではないでしょうか。
これは「他人にどう見られるかを気にするべき」ということではありません。むしろその逆で、どんなに「他人にどう見られるか」を気にしても、キリがないのです。
風の時代は、”優劣”ではなく、”好き嫌い”で人を判断するような世の中になってゆくと思います。好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌い、それは基本的にコントロールできることではないし、する必要もないでしょう。
好き嫌いはもちろんある、けれどそれはあくまで好みの問題であって、誰が誰より優れているとか、劣っているとか、そういう話ではない。……という世界になっていくといいなあ、という個人的な願いでもありますが。
あなたが新しい時代を軽やかに生きてゆけることを、願っています。