占いに興味がなかったとしても、12星座占いを目にしたことのある方は多いかと思います。おそらく多くの人は、自分の星座を知っているのではないでしょうか。
この一般的な星座というのは、太陽星座と呼ばれるものです。
今回は、「太陽星座ってどうやって決まっているの?」ということについて書いていきます。具体的にいつ生まれたらどの星座、という話ではなくて、そうなっている理屈についての記事です。
黄道十二星座と黄道十二宮
さて、占星術では、太陽の通り道にある12の星座(これを黄道十二星座と言います)をもとにして、黄道十二宮というものを考えます。
以下、実際に夜空に浮かぶ星座と、占星術における星座を区別するために、後者をサインと呼ぶことにします。
黄道十二星座はそれぞれ大きさがバラバラですが、黄道十二宮ではどのサインもきっちり30度ずつに区切られています。
これが、【満月の星座とは?】10天体それぞれに星座があるでも少し触れた、「実際に夜空に浮かんでいるおひつじ座、おうし座、……という12星座と、占星術で扱う牡羊座、牡牛座、……という12サインにはズレがある」ことの理由のひとつです。
黄道十二宮にはそれぞれ、白羊宮、金牛宮、……というふうに、「○○宮」という名前がついていますが、占星術の世界でも星座の名前を引き継いだ「○○座」という呼び方をすることが多いです。
また、この12サインには、それぞれマークが決められています。以下が、各サインのマークと、星座・宮の対応表です。
記号 | サイン | 宮 | 記号 | サイン | 宮 | |
![]() | 牡羊座 | 白羊宮 | ![]() | 天秤座 | 天秤宮 | |
![]() | 牡牛座 | 金牛宮 | ![]() | 蠍座 | 天蠍宮 | |
![]() | 双子座 | 双児宮 | ![]() | 射手座 | 人馬宮 | |
![]() | 蟹座 | 巨蟹宮 | ![]() | 山羊座 | 磨羯宮 | |
![]() | 獅子座 | 獅子宮 | ![]() | 水瓶座 | 宝瓶宮 | |
![]() | 乙女座 | 処女宮 | ![]() | 魚座 | 双魚宮 |
※各サインの記号は、フォントや書く人によって多少違うことがあります。
12サインはぐるっと円を描く
さて、この12サインは太陽の通り道がもとになっている、と上で書きました。
太陽の通り道といっても、実際に動いているのは太陽ではなく、地球です。つまり太陽の通り道というのは、地球から見たときに、太陽がどこを通って動いているように見えるか、その道筋のことです。
地球から見ると、太陽は地球の周りをぐるぐる回っているように見えます。天動説の考え方です。
太陽は地球の周りで円を描いている。つまり、12サインは地球の周りにぐるっと円を描いて並んでいるのです。

12サインは牡羊座に始まって魚座に終わりますが、魚座の次にはまた牡羊座があって、ぐるぐる巡りつづけているんですね。
太陽は約1年かけて12サインを1周する
地球から見ると、太陽がこの12サインを1周するのに、約1年かかります。
まず、春分に太陽は魚座から牡羊座へ移動します。春分から夏至にかけて、太陽は牡羊座・牡牛座・双子座と進み、夏至で双子座から蟹座へ移動。
そして、夏至から秋分にかけて、蟹座・獅子座・乙女座と動きます。秋分では乙女座から天秤座へ移り、秋分から冬至までのあいだに、天秤座・蠍座・射手座と進みます。
冬至に射手座から山羊座に移動し、冬至から次の春分までで、山羊座・水瓶座・魚座へと巡っていくのです。

つまり、太陽は毎年ほぼ同じ月日に同じサインにあるということになります。
太陽星座というのは「その人が生まれたときに、地球から見て太陽がどのサインにあったか」を示すものです。なので、太陽星座は生まれた月日でだいたい決まるのです。
これが、太陽星座占いが一般的に普及している理由です。生まれた月日だけを扱えばよいので、占いやすいのです。生まれた年まで考慮する必要がありません。
ただし、この月日はあくまで目安で、サインとサインの境目あたりが誕生日の人の場合、実はズレている、という可能性があります(正確な太陽星座は、自分が生まれたときのホロスコープを算出することで確認できます)。
春分の日や秋分の日も年によって違うことがありますよね。また、閏年というものもあります。つまり一年の長さは、毎年きっかり同じというわけではなく、サインの区切りも年によって微妙に変わることがあるのです。
占いの媒体によって各サインの始まりや終わりの日付が違うことがあるのは、このためです。
また、太陽以外の天体も同じようにこの12サインをぐるぐると巡っているのですが、この周期は天体によってバラバラです。
例えば月星座は、12サインを1周するのに一ヶ月もかからないため、同じ年・同じ月に生まれても人によってバラバラになります。
こういった理由もあり、太陽星座以外の星座は不特定多数を対象とした占いでは、扱いづらいのです。
ということで、太陽星座はどうやって決まっているのか、についてのお話でした。