占星術では、主に太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星という10の天体の位置するサインやハウス、そしてそれらのアスペクトなどを複合的に読みといていきます。
つまり、太陽は占星術で扱う主な10天体のうちの、ひとつに過ぎません。
とはいえ、太陽は太陽系の中の唯一の恒星であり、その存在感は圧倒的です。太陽が自ら光を放つからこそ、月や惑星はその光を反射するというかたちで輝くことができます。また、太陽の圧倒的な明るさが地上を照らし、生命を繋いでいきます。
さて、占星術の世界で、太陽は何を示しているのでしょうか。
太陽は魂の欲求や目指す未来を示す
太陽は、魂の欲求や目指す未来の姿、また人生の目標といったものを示します。
魂の欲求とはつまり「こうしたい」「ああしたい」という思いであり、それが未来を切りひらいていく力となり、また人生の目標にまで繋がるのです。そして同時に、自分を表現する方法をも表します。
もちろんそういったものは、その人の性格にも大きく影響を与えますし、「自分らしさ」でもあります。ですが、生まれもった資質というよりは、これからどうしていくか、これからどう使っていくか、という方向に向いています。
占星術では、上にあげた10の天体が「わたし」個人の中にも内蔵されている、というふうに考えます。「わたし」の中にも宇宙が広がっていて、そこには太陽があり、月があり、惑星があるのです。
人生に迷いや葛藤を抱えている人にとって、自分の中にある太陽をいかにうまく使えるようになるか、というのは大きな鍵になります。
また公私で言えば、太陽はその人の「公」の面を表します。それに対して月が表すのは「私」、つまりプライベートな自分です。
このことから、その人がどうやって他者や社会と繋がっていくのか、あるいはどのように繋がっていくと上手くいくのか、というのも太陽のサインから読むことができるのです。
ホロスコープがすべてではない、が……
占星術は、あくまで占星術です。科学的な真実というものは、そこにはありません。また、統計でもありません。
ですから、ホロスコープが完全にその人の性質や考え方とぴったり一致する、とは限りません。
特に太陽星座だけを扱う星占いでは、「全然当たってないよ」と感じる人も多いでしょう。
ところがそういう人でも、ホロスコープ全体をよくよく見てみると、太陽星座以外のところで「たしかにこれってわたしだ!」という部分を見つける、というのはよくあることだったりします。
太陽星座に限ったとしても、それはもちろん「その人がどんな人か」というのもある程度は表していますが、それ以上に「太陽星座の性質を自発的に活かす」ことのほうが重要です(星占いを見たら自分の星座のところに書かれているような人間になるよう努力するといい……、という話ではありませんよ)。
順風満帆な人生を送っていて、自分の生き方になんの悩みもない人にとっては、ホロスコープだとか、太陽星座だとかを意識する意味はないかもしれません。そんなことをしなくても、すでに上手く生きることができているのですから。
けれど、生き方に悩んだり、人生に行き詰まったりしたとき、自分の太陽星座(に限りませんが)の特性を知って、これからどのような未来を未来を目指していくかを考えると、道が切りひらけることもあるかもしれません。
ということで次回は、太陽星座ごとの「○○で世界と繋がりたい」について書いてみようと思います。
(2020/09/12 書きました→【太陽星座別】○○で世界と繋がりたい)