2020年10月17日 04:32 に天秤座の新月を迎えます。
今回は、月と太陽・火星・木星と冥王星による「Tスクエア」と、金星・海王星・木星と冥王星による「メディエーション(調停)」について、読みといてみます。
「天秤座の新月ってなに?」「新月に星座があるの?」という方は、ぜひ【満月の星座とは?】10天体それぞれに星座があるをご覧になってみてください。
月と太陽・火星・木星と冥王星による「Tスクエア」
さて、こちらが天秤座の新月を迎えるときのホロスコープです。
まずは、以下の3つのアスペクトに注目してみます。
アスペクト | 度数 | |||
月・太陽 | — | 火星 | オポジション | 180度 |
火星 | — | 木星・冥王星 | スクエア | 90度 |
木星・冥王星 | — | 月・太陽 | スクエア | 90度 |

このようにしてできる直角二等辺三角形の複合アスペクトを「Tスクエア」と呼びます。
スクエアは葛藤を、オポジションは対立を表すため、Tスクエアは不安定な雰囲気をまとっています。また、このTスクエアにかかわる天体はいずれも活動宮のサインに属しているため、エネルギーは活発なものの、そのエネルギーの向きがばらばらで葛藤を引き起こします。
月と太陽は天秤座に、火星は牡羊座に、木星と冥王星は山羊座にあります。
天秤座の月・太陽は調和的な人間関係を築きたいのですが、牡羊座の火星はエネルギッシュに自己主張をしたがります。そして山羊座の木星・冥王星は社会的な成功を目指します。
調和した人間関係を築くこと、自己主張をすること、そして社会的成功を手にすること。これらはバランスを取るのがなかなかに難しいです。
他人との間に波風を立てないようにと必死になれば、まともに自己主張ができなくなりかねませんし、社会においていかれてしまうかもしれません。
がんがん自分を前に出せば他人に疎まれかねませんし、エネルギーが暴走して失敗してしまうかもしれません。
社会的な成功にこだわりすぎると人間関係にひびが入るかもしれませんし、社会に認められるような自分を演じて、ほんとうの自分を見失ってしまう可能性もあります。
しかし、これらのエネルギーのバランスをうまく取ることができれば、それは生産性へとつながることもあります。
金星・海王星・木星と冥王星による「メディエーション(調停)」
さて次に、以下の3つのアスペクトを見てみます。
アスペクト | 角度 | |||
金星 | — | 海王星 | オポジション | 180度 |
海王星 | — | 木星・冥王星 | セクスタイル | 60度 |
木星・冥王星 | — | 金星 | トライン | 120度 |

このような複合アスペクトを「メディエーション(調停)」と呼びます。
トラインとセクスタイルは調和を意味するので、木星・冥王星によって金星と海王星のオポジションの緊張感が和らぎます。
金星は乙女座に、海王星は魚座に、そして木星・冥王星は山羊座にあります。
自分の役に立つものを好んで、役に立たないものを排除したい現実的な乙女座の金星と、役に立つものも役に立たないものもひっくるめて受けいれたい、献身的な魚座の海王星の間には、緊張感が走ります。
一方、山羊座の木星は社会の役に立つことをよしとしており、また、理想の現実化を図ろうとします。
山羊座の木星は現実的な乙女座の金星の意図を汲み取りますし、一方では何もかもを受けいれたいという海王星の理想をも現実化しようとします。
誰かの役に立つものが、必ずしも社会全体の役に立つとは限りません。社会の役に立つものが、いつでも「わたし」の役に立つとは限りません。人はそれぞれ大事にしているものが違います。もちろん社会的なルールは守らなければならないものですが、規範の中であれば何を好むかは自由です。
そして社会的な成功につながるのは、必ずしも乙女座的な実務能力だけではありません。魚座の海王星的な精神世界を重んじる態度もまた、ときとして社会的な成功をもたらします。
終わりに:エネルギーの調整とバランスが必要
今回は天秤座の新月のときのホロスコープについて、Tスクエアとメディエーション(調停)というふたつの複合アスペクトについて見てきました。
しっかり自己主張することも、調和的な人間関係を築くことも、どちらも大切です。人によってはさらに社会的な成功も重視するでしょう。
やはりなにごともバランスが大事です。今回の天秤座の新月では、これらのエネルギーがそれぞれの方向に暴走しかねませんので、うまく調整してやることが必要になります。
また、なんでもかんでも「役に立つ・役に立たない」という判断をくだすのは、どこか無味乾燥な人生を引き寄せてしまうような気がします。一般的に役に立たないと言われるようなものに心を救われたことのある人は多いのではないでしょうか。
役に立つかどうかも、ときにはとても大切なことですが、心地よさや自分がそれを好きであるかどうか、という視点も忘れたくないものです。
新月は、新しいサイクルの始まりです。月がここから少しずつ満ちていくように、あなたの生活も、少しずつでも潤いに満たされてゆくことを願っています。