2020年9月17日 20:00、乙女座にて新月を迎えます。
今回は、新月と海王星、土星・冥王星、火星とのアスペクトを読みといてみます。
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3つのアスペクトに注目
さて、こちらが今回の乙女座の新月のときのホロスコープです。
今回は、以下の3つのアスペクトに注目してみたいと思います。
アスペクト | 度数 | |||
月・太陽 | — | 海王星 | オポジション | 180度 |
月・太陽 | — | 土星・冥王星 | トライン | 120度 |
月・太陽 | — | 火星 | クインカンクス | 150度 |
ここで扱う天体のハウスとサインもチェックしておきましょう。
ハウス | サイン | |
月・太陽 | 第5ハウス | 乙女座 |
海王星 | 第11ハウス | 魚座 |
土星・冥王星 | 第9ハウス | 山羊座 |
火星 | 第12ハウス | 牡羊座 |
月・太陽と海王星のオポジション
今回の新月では、月と太陽が第5ハウス・乙女座にて重なります。
第5ハウスは自己表現のステージであり、趣味などの楽しみを表すハウスです。一方、乙女座は他者のサポートを得意とするサインであり、また実務的で現実的に生きようとするサインでもあります。
自己表現と他者のサポート、と言うと、相反するもののように思われるかもしれませんが、他者をサポートする姿勢も自己表現のひとつとなり得ます。
また、趣味と実務というのも相容れないもののように見えますが、世の中には「趣味と実益を兼ねた仕事」というものはたくさんあります。もちろん実益というのは、必ずしも収入を得ることである必要はありません。
今回の新月の大きなテーマとして「自己犠牲ではない、自己表現としての他者のサポートをする」「楽しみながら、目の前の現実をこなしていく」ということが見えてきます。
さて、この月と太陽は、第11ハウス・魚座にある海王星とオポジション(180度)のアスペクトをとっています。

オポジションは、天体同士が真っ向から向かいあっているとおり、緊張感のある関係です。
第11ハウスは社会改革のステージで、現状への批判などを表します。また、魚座は目には見えない世界というものを大切にします。
乙女座の月・太陽が現実的に生きようとするのに対して、魚座の海王星は、現実よりも精神世界を大切にしようとします。この点で、月・太陽と海王星は、お互いを引っ張りあうような緊張状態にあるのです。
月・太陽と海王星のオポジションに土星・冥王星が調停
ところがここに、第9ハウス・山羊座にある土星と冥王星が調停しています。
土星・冥王星は、月・太陽とはトライン(120度)、海王星とはセクスタイル(60度)のアスペクトをとっています。このような配置を、調停(あるいは、メディエーション)と呼びます。

調停は、オポジションの緊張状態を和らげます。
第9ハウスは意識の拡大のステージで、広い世界を表します。また山羊座は、社会の役に立つことを目指すサインです。
土星は制限を表す天体ですから、第9ハウス・山羊座にある土星は「意識を拡大して社会の役に立ちなさい」と伝えてきていると言えるでしょう。
現実的に生きることだけが、社会生活ではありません。ときに目に見えない世界へと目を向けることも必要です。
いたずらに空想に遊ぶだけでは生活が成りたちませんが、ひたすら現実だけを見つめていると息がつまってしまいます。
そのバランスをうまく取るようにと、土星は語りかけてきているのです。
また、土星のそばには冥王星があります。冥王星は、破壊と創造の象徴です。
月・太陽と海王星の緊張状態を解消するためには、何かを手放す必要もある、という示唆が読みとれます。
新しいものを作りつづければ、それらを置くスペースはやがてなくなってしまいます。創造のためには、ときに破壊が必要となるのです。
月・太陽と火星のクインカンクス
さて、火星は第12ハウス・牡羊座にあり、月・太陽とクインカンクス(150度、インコンジャンクトとも言います)のアスペクトをとっています。このアスペクトは、どこかぎくしゃくとした葛藤を表しています。
牡羊座は12サインの始まりのサインであり、物事をスタートさせる力を持っています。また、火星は自分の内なるエネルギーを外の世界へと打ち出していく天体です。
牡羊座の火星はまさに行動力に溢れていて、新しいスタートを切りたい状態です。そして、第12ハウスは新しいサイクルへの準備のハウスでもあります。
目の前にある現実を実務的に片付けていきたい乙女座の月・太陽と、新しいことに挑戦したい牡羊座の火星。
あれもこれもと手をつけると消化不良になってしまうので、やはり何かを捨てるということが必要になってくるでしょう。
また、火星は逆行に転じて間もないので、新しいことを始めるにしてもエネルギーがうまく出せない状態になるかもしれません。見切り発車でスタートさせるのではなく、自分に何が必要なのかを、しっかりと見定める必要があります。
捨てる勇気を持つ
ということで今回は、乙女座の新月について3つのアスペクトを見てきました。
月・太陽に対して、オポジションやクインカンクスといった緊張感の漂うアスペクトが重なっているため、物事がうまく立ちゆかないと感じる場面があるかもしれません。
ですが、自分に今必要なものが何かを見定めて、そのことにエネルギーを集中させれば、実りはいっそう大きくなるでしょう。
そのために何かを捨てるという勇気も、ときに必要になります。
あなたが身軽に爽やかに、新しい季節を迎えられるように願っています。